「突然だけど豆まきをしよう!!」
ふざけるな
a bean scattering
休みの日に呼び出されて(拉致とも言う)ソファーに不機嫌全開で座っている(拘束されてソファーに置かれているとも)。
隣を見ると同じような格好(俺よりズタボロになっている)雷電がまだ無駄な抵抗を続けている。
「反対意見は無いみたいだね。それじゃ豆まきについて説明するよ。」
誰からも反対意見が出ないと言うよりも誰も言えないだけで…俺と雷電は言うまでも無く猿轡をかまされ、スネークは何もかもをあきらめた顔でオタコンの隣に座っている。
(スネークの身にいったい何が?)
「日本ではね、2月3日に鬼役を決めてその鬼に向かって全力で豆をぶつける行事があるんだ。鬼を追い出すことで厄払いをするらしいんだ。」
(俺の厄はオタコンのような…しかも微妙にその行事間違ってないか?)
「それで何かと危険が多い君達の厄払いをしようと思ってね。」
「オタコン、さっさと始めるぞ。」
スネークが『さっさと始めてさっさと終わらせるぞ』という意味で声をかけるが
「スネークってばそんなに豆まきが楽しみなのかい?子供みたいだなぁ。」
オタコンにはまったく通用しなかった。
むしろカウンターをくらいスネークは精神的ダメージをくらった。
ふと雷電はどうしているのだろうと思い隣を見ると…
こちらもこちらである意味ダメージを受けていた。
雷電爆笑中
拘束されたままの体を2つに折り、痙攣し始めるほど笑い続けている。
いつも自分を『若造』扱いするスネークがオタコンに子ども扱いされたことがつぼにはまりまくったらしくいつまでたっても笑いやむ気配が無い。
この雷電の様子をさすがに気づいた2人は微妙な顔で雷電を見ている。
オタコンは自分の話をきちんと聞いていたのかという顔をし
スネークは…
あとで抹殺決定
という顔をしている。
「さて、それじゃ鬼役を決めようか。」
オタコンはスネークの形相にまったく気づかずに話を進め始めると、白衣のポケットから棒を4本取り出した。
「この中の1本に鬼って書いてあるものがあるからそれを引いた人がこの仮面をかぶって豆を投げつけられる役になってもらうからね。」
なにかオタコンが言っていたが俺の頭の中は違うことでいっぱいで、視線はあるものに釘付けだった。
それは話をしている途中で白衣の裏からオタコンが取り出したものでそれは…
オセロットとロボットの顔をしたものと白い顔の上半分だけが隠れる仮面だった。
唖然とする俺達をよそにオタコンは仮面の説明を始めた。
「実は鬼を調べてみたんだけどよくわからなかったからとりあえず仮面だけ用意してみたんだ。1つ目はオセロットでこれを着けると手先がやたらと器用になって、2つ目はザク(赤)っていう日本のガンダムっていうアニメのロボットで着けると早さが3倍に。最後のは日本の最近のガンダムの中に出てくる敵役で着けるとテロメアが短くなって寿命が縮まるんだ。」
いろいろと、本当にいろいろと突っ込みたいところがあったが特に最後…
寿命が縮まるってどうよ!?
「それじゃあスネーク、くじを引くから2人の拘束をはずしてくれるかい?」
開放された腕をぐるぐると回していると目の前にくじが突き出された。
「さ、君も引いて。」
「…気のせいじゃなければ引くも何も1本しか残ってないじゃないか。」
「気にしない気にしない。」
しかたがなく最後の1本を俺が引くと
「鬼だーれだっ」
というオタコンの号令の元に皆が確認すると…
一人の顔色が変わった
「どうやら俺が鬼だな。」
スネークは顔色を真っ青にしながら先ほど紹介された仮面を見つめていた。
「じゃぁ豆を配るからみんなスネークにぶつけてね。ちょっと用意してくるから待ってて、その間にスネークは仮面を選んで着けること。」
オタコンはそういいつつ別室へと入っていった。
「なぁスネークあきらめろ、オタコンがああなったら誰にも勝てないのはわかりきったことじゃないか。」
俺がそういいながらスネークの肩をたたくとスネークはものすごい勢いで俺のほうを振り返り俺の両肩をつかんで揺さぶり始めた。
「じゃぁ俺と鬼の役を変わるな!!!」
「いやだ。」
俺がそう一刀両断にすると今度は扱いやすいと思ったのか雷電の肩をつかみ揺さぶり始めた。
「若いの、若いうちは経験することが重要だ。だから変われ。」
「いや…だっ…ってゆさ…ぶ…るなっ!!」
「だめじゃないかスネーク。早く仮面をつけないと。」
そう言って音も無く現れたオタコンにぎゃあぎゃあ騒いでいた2人も一瞬で固まった。
なぜならオタコンの手にはごつい銃が握られていたからだ。
「そうだ見てよこれ!!実はこのエアガン、ガンダムのビームを模して作ったんだ。もちろん細部にわたるまで本物とそっくり!!弾はもちろん豆まきの豆で今日この日のために1週間かけて作ったんだ!!」
時間の無駄遣いめ
「スネークさっさと選ばないと僕がえらんじゃうよ?そうだ、この白い仮面でいいかい?」
なんでよりによって寿命が縮まるのを選ぶんだ!?
身の危険を感じたのかスネークはさっさとザクの仮面を身につけると準備運動を始めた。
ふと今気づいたのだがなぜかスネークと雷電はスニーキングスーツを着込んでいる。
スニーキングスーツ+ザク(赤)仮面。
笑いすぎて当てれないかも。
そして豆まきが始まった。
※ 以下音声のみでお送りします。
「あはは、逃げじゃだめじゃないかスネーク。」
「逃げないと死ぬだろうがっ!!」
「い、今オタコンの流れ弾で壁に穴があいたぞ!!」
「それよりオタコンあの仮面なんだよっ!!本当にスピードが3倍になってるぞ!!」
「じつはあれ仮面の口当たりに揮発性の薬が塗ってあってね、体のリミッターをはずすし
て日頃抑えている筋力を引き出すんだ。」
「そんな薬があるならなんでミッションの時俺に渡さないっ!!」
「それ使うと5時間後に筋肉痛で動けなくなるからね。危険でとても渡せないよ。」
「そんな危ないものを使うな!!」
「それよりもスネークあんた豆にあたれよっ!!」
「そうだそうだっ!!いつまでたっても終わらないだろ。」
「あんな凶器にあたれるか!!」
「凶器なんてひどいなぁ、それにほかの2人ならあたってもいいじゃないか。」
「パチンコで目を狙ってきたりスリングで威力を増しつつ急所に狙いを定めてる攻撃にあたれん!!」
「オタコンに比べたらかなりましだろうがっ」
「どうせ当たってもスニーキングスーツでダメージが減るだろ!!」
※ 長くなるためカットさせていただきます。
「はぁ…はぁ…」
「に、日本では毎年こんなハードな行事をこなしてるのか?」
「鬼がスネークじゃない時点でそれはありえないだろ。」
「まったくだ。さっさと当たればこんなに疲れなくてすんだものをっ」
「なぁ、もうやめないか?」
「そうだね…もうやめようか。」
「第一昼ごろから始めたのに外が暗くなってる上に月も消え始めてるぞ。」
「じゃ、じゃぁ俺は寝るからな。」
そして目が覚めた後われに返った俺達が見たものは
床に大量にまかれた豆だった。
しかも追いかけたり追いかけられたりしているうちに踏み潰したせいで豆は細かく砕け、壁にめり込んだ豆も取り除かなければならず掃除に1日かかったことをここに記載しておく。
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アトガキ(懺悔)
○ヶ月ぶりに更新しました。
しかも更新したのが久しぶりなのにこの短さで尻切れトンボとは…
じつはこのネタ、友人と体育の時間に話していたときに浮かび、そ
のまま話にしてしまいました。
元ネタは「豆を発射するマシンガン」だったかな…